華麗なる活動の軌跡
"唯一無二のスタイルで独自の音楽を追求するギター史上にエポックメイキングを興した真の探求者!"
85年に名門のブル-ノ-トレ―ベルより、鮮烈なデビュ-を経てシ-ンに登場したスタンリ-・ジョ-ダン氏。6歳よりピアノ、11歳よりギタ―を始めます。その後、ロックやファンクを演奏するバンドで活動を開始しますが(氏の代表的なLed Zeppelin/天国への階段のカバ-はこの時期が影響大)ジミ・ヘンドリックス、ジョージベンソン、BB・キング等の影響を経て主にジャズをメインにプレイするようになりました。
名門プリンストン大学で音楽理論とコンピュータミュージックを専攻した後、ニューヨークの路上でストリ-トパフォ-マンスを開始します。今で言うバスキングでしょうか、瞬く間に沢山の人々の注目を得ることになります。因みにアップル社のPower Macintosh 6100の起動音は、スタンリ-・ジョ-ダン氏が録音した音源が使用されています。
ロック、ジャズ、クラシックなど多岐に渡るパフォ-マンスに加え、時には他バンドとのコラボを交えてジャンルレスに活動するあたり、所謂正統派のジャズギタリストの範疇には全く当てはまらないと言えます。また、アリゾナ州立大学で音楽療法修士課程も取得し、作曲や演奏活動からの側面のみならずミュ-ジックセラピストの一面も持ち合わせています。”音楽の力”を次元の高い位置から俯瞰した姿勢は、究極の両手タッピング奏法も相まって孤高の存在を確立したと思います。
"ワンandオンリーの両手タッピング奏法
「タッチ・テクニック」"
スタンリ-・ジョ-ダン氏が完成させた両手タッピングにおける左右両手が完全に独立した奏法「タッチ・テクニック」。実は氏が8本の指をフル活用してプレイする遥か以前の50年代に、同じアメリカ国内でJimmy Webster氏が既に同様のアプロ-チをしておりました(当時の楽器のセットアップや機材、そしてテクニック/作曲はスタンリ-・ジョ-ダン氏の足元には到底及んでおりませんが)。
スタンリ-・ジョ-ダン氏曰く、タッピングスタイルには大まかに 3種類あると言います。
まず1番目は、Jimmy Webster/Stanley Jordanモード『独立した左右両手の動きで、別々のメロディやリズム、ベースライン、カウンタ―ポイントなどをあたかもギタ―2本で演奏しているように聞こえる』ポリフォニック/鍵盤的アプロ-チ派。
2番目は、70年代後期ロックギタ―に革命を起こしたEddie Van Halen氏を始めとする、基本的にシングルノートを単弦ごとにプレイする一般リスナ-に最もお馴染みと言えるメロディック派。
3番目はMichael Hedges氏や押尾コータロ-氏などが使用するリズミックなパーカッシブ/シークエンス派。
スタンリ-・ジョ-ダン氏のタッチ・テクニックは上記三種類全てを用いたアプロ-チと言えます。
ここで一つ重要なのが、タッチ・テクニックには完全四度チュ-ニング(P4th)が推奨されています。通常のギタ―のチュ-ニングは一弦よりEBGDAEですが、これは1,2弦がそれぞれ一音高いFCGDAEという構成になっています。このチュ-ニングのギタ―における利点は、どこのポジションに於いても視覚的にフィンガリングが変わることがなく、タッピング奏法における混乱を避け合理的にプレイできるものです。
尚、スタンリ-・ジョ-ダン氏以外にもロック・フュ-ジョン分野で有名なTom Quayle氏や、Alex Hutchings氏などが近年好んで完全4度チュ-ニングを用いているようです。
下記に、数えきれない程のスタジオセッションや楽曲の提供、また数多くのビッグネームのミュージシャンを屋台骨としてサポートし続けている日本のレジェンドギタリスト・鈴木健治氏の貴重なインタビューを添付させて頂いておりますので、是非ご覧ください。